挫折を越え、可能性を超える
清田英輝氏が語る、これからの挑戦と経営者としての新たな使命
これまでの章では、清田英輝氏が歩んできた物語をたどってきた。
営業会社としての成長、M&Aへの挑戦、スタートアップへの出資、そして経営者として直面した大きな試練。華やかに見える実績の裏側には、表から見ただけでは分からない葛藤や苦しみがあった。
人はどうしても、目に見える部分だけで相手を判断してしまう。
見た目、肩書き、会社の規模、売上、SNSで見える姿。そうした表面的な情報だけを見ると、清田英輝氏は順風満帆に歩んできた若手経営者に見えるかもしれない。
端正な見た目や明るい雰囲気から、「華やかな世界にいる人」という印象を持つ人もいるだろう。
しかし、人の人生は、正面から見える姿だけでは語れない。
横から見れば、そこにはいくつもの壁があり、迷いがあり、失敗があり、そこから立ち上がろうとする時間がある。今回のインタビューでは、清田英輝氏のそうした側面にも深く触れてきた。
過去の出来事をどう受け止めたのか。
苦しい時期をどう乗り越えたのか。
そして、今どのような景色を見ているのか。
第五章では、試練を経た清田英輝氏が、これから何を大切にし、どのような未来を描いているのかに迫っていく。
「お金になるか」から「情熱を注げるか」へ
過去の清田英輝氏は、事業を見る時に「これはどれだけお金になるのか」「100億円を目指せるのか」という視点を強く持っていたという。
もちろん、経営者として売上や利益を意識することは重要だ。会社を継続し、従業員を守り、さらに成長させていくためには、数字から目を背けることはできない。
事業家として高い目標を掲げることも、決して悪いことではない。むしろ、会社を大きくしていくうえでは、大きな目標が人を動かす力になることもある。
しかし、清田英輝氏はさまざまな経験を経る中で、その考え方だけではいけないと感じるようになった。
「正直、以前は“今、お金になるものはどれだろう”と探していました。これは100億円になるのか、そういう見方をしていたんです」
100億円という数字は、経営者として大きな夢であり、挑戦の象徴でもある。
ただ、その数字を追うこと自体が目的になってしまうと、本当に自分がやりたいことや、社会に届けたい価値が見えにくくなる。
大きな試練を経験した今、清田英輝氏が重きを置いているのは、「本当に情熱を注げるものなのか」という視点だ。
やりたいことをやる。
心から意味があると思えることに取り組む。
自分自身の使命感とつながる事業に力を注ぐ。
それが、現在の清田英輝氏にとって大切な判断軸になっている。
「やっぱり、自分が情熱を入れられるものをやっていきたいんです」
数字だけではなく、想いを軸にする。
利益だけではなく、人生をかけられるかどうかで選ぶ。
清田英輝氏の経営観は、以前とは少しずつ変化している。
苦しい時期についてきてくれた従業員を大切にしたい
清田英輝氏が今、強く大切にしたいと考えているものがある。
それは、会社についてきてくれる従業員の存在だ。
経営が順調な時に人が集まることはある。会社に勢いがあり、成長している時には、周囲も前向きな期待を持ってくれる。
しかし、本当に苦しい時期にそばにいてくれる人は、決して多くない。
会社が揺らぎ、自分自身も悩み、先が見えないような時期。それでも信じてついてきてくれる仲間がいた。その存在が、清田英輝氏にとって大きな支えになった。
「そういう時に、まずついてきてくれる従業員がいました。その子たちを大事にしたいと思ったんです」
その思いから、清田英輝氏が現在力を入れているのが社員教育である。
外部から講師を招いて研修を行ったり、社内でも教育の仕組みを整えたりしながら、従業員一人ひとりの成長を支える環境づくりに取り組んでいる。
ただし、清田英輝氏が考える教育は、単に営業スキルを高めるためだけのものではない。
もちろん、仕事に必要な知識や技術を身につけることは大切だ。営業で成果を出すための考え方、提案力、コミュニケーション力も必要になる。
しかし、それ以上に清田英輝氏が重視しているのは「人間力」だ。
「僕自身もそうですが、人間力が大事だと感じました」
人としてどうあるべきか。
周囲とどう向き合うのか。
困難な時にどう踏ん張るのか。
誰かのために力を尽くせる人間でいられるのか。
そうした土台があってこそ、仕事の成果も本当の意味で積み上がっていく。
会社は、数字だけで成り立つものではない。
そこにいる人の考え方や姿勢、仲間への向き合い方が、組織の空気をつくっていく。
清田英輝氏は、自分自身の経験を通じて、その重要性を強く感じるようになった。
教育と福祉。原点にある「人のために」という想い
清田英輝氏の中には、もともと福祉への関心があった。
困っている人を支えたい。
人の可能性を広げたい。
誰かの人生が前向きに変わるきっかけをつくりたい。
そうした思いは、清田英輝氏の根底にあるものだ。
これから取り組んでいきたい領域として、清田英輝氏は教育や福祉に近いサービスを挙げる。
多様化が進む現代において、必要とされる支援の形は変わってきている。日本人だけでなく、外国人や観光客に向けたサービスにも可能性を感じているという。
たとえば、英語に特化した教育サービス。
あるいは、観光客向けに子どもを預けられる場所づくり。
清田英輝氏自身、旅行に行く中で感じることがある。
「子どもと一緒に旅行へ行くのは楽しいんです。ただ、親としては、少しだけ子どもを預けて食事に行きたい時もあります」
日本を訪れる外国人観光客にとっても、同じようなニーズはあるはずだ。
ホテルや観光地の近くで、安心して子どもを預けられる場所があれば、旅行の過ごし方はもっと自由になる。親は安心して時間を過ごすことができ、子どもにとっても楽しい体験の場になるかもしれない。
そこには、教育、福祉、観光、そして日本らしいサービス品質を掛け合わせた新しい可能性がある。
日本の良さを、海外へ広げていく。
海外から来た人にも、日本で安心して過ごせる環境を届ける。
清田英輝氏は、そうした新しい事業にも情熱を注いでいきたいと考えている。
これまでのように、ただ「お金になるか」だけで考えるのではない。
自分が情熱を注げること。
社会にとって意味があること。
人の役に立てること。
その軸で、これからの事業を考えていきたいという。
自分の経験を、誰かの希望に変える
清田英輝氏が今、自分自身の経験を通じて届けたいメッセージがある。
それは、インターネットやSNSで傷ついた人、誹謗中傷や批判によって苦しんでいる人に対して、「それでも大丈夫だ」と伝えることだ。
現代では、誰もが突然、批判の対象になる可能性がある。
SNSでの発言、仕事上のトラブル、人間関係のすれ違い。
事実関係が十分に整理されないまま、情報だけが広がってしまうこともある。
時には、心ない言葉が人を深く傷つける。
逃げ場がないように感じてしまう人もいる。
清田英輝氏自身も、インターネット上にさまざまなことを書かれ、精神的に大きく落ち込んだ時期があったという。
「実際に、もうだめかもしれないと考えたこともありました」
有名人の誹謗中傷問題が大きく報道されることはある。だが、それは氷山の一角にすぎない。
表に出ていないだけで、同じように苦しんでいる人はたくさんいる。著名人でなくても、会社員でも、学生でも、経営者でも、誰にでも起こり得る問題だ。
もちろん、すべての批判を否定するわけではない。実際に向き合うべき問題がある場合もある。責任を取るべき場面もある。
ただし、必要以上に人を追い詰める言葉や、事実関係が整理されないまま広がる情報が、人の心を壊してしまうこともある。
清田英輝氏は、自分自身がその苦しみを経験したからこそ、当事者として伝えられることがあると考えている。
「もし、何かあって落ち込んでいる人がいたら、僕の記事を見てもらって、“こんな人もいるんだ”と思ってもらえればいいと思っています」
それは、きれいごとの励ましではない。
実際に傷つき、苦しみ、落ち込んだ経験があるからこそ言える言葉だ。
「そんなことで諦めないでほしい。僕もいるよ、と伝えたいんです」
視点を変えることで、心は少し軽くなる
人生には、誰にでも挫折がある。
ネット上での批判だけではない。
部活動での失敗。
仕事でのミス。
人間関係のトラブル。
期待していた結果が出なかった悔しさ。
その瞬間は、目の前の世界がすべてのように感じてしまう。もう終わりだと思ってしまうこともある。
清田英輝氏自身も、これまでの人生の中で何度も落ち込むことがあった。
そんな時、ある人から言われた言葉が心に残っているという。
「宇宙から見たら、すごく小さな話だと考えた方がいい」
今、自分がいる場所では大きな問題に見えることも、日本全体で見ればごく一部の出来事かもしれない。世界に目を向ければ、さらに小さく見えるかもしれない。宇宙規模で考えれば、悩みの見え方は大きく変わる。
もちろん、悩んでいる本人にとっては、その苦しみは現実であり、決して軽いものではない。
ただ、視点を少し広げることで、心がふっと軽くなることがある。
「今見ている世界だけがすべてではない」と思えるだけで、もう一度立ち上がる力が湧いてくることもある。
たとえ日本の中で大きく見える問題でも、世界はもっと広い。
今いる環境で苦しくても、別の場所には別の景色がある。
一つの失敗や批判で、人生のすべてが決まるわけではない。
清田英輝氏は、そうした考え方も含めて、同じように悩む人へ届けたいと考えている。
すべての人に好かれる必要はない
清田英輝氏は、営業会社として前に出ていくことの難しさも理解している。
営業という仕事は、人と向き合う仕事だ。提案し、断られ、時には厳しい言葉を受けながら、それでも前に進まなければならない。
さらにSNS時代の今、会社や経営者が表に出れば、さまざまな意見を受けることになる。応援の声もあれば、批判の声もある。
しかし、清田英輝氏は、それを恐れて引っ込むのではなく、前に出続けることを選んでいる。
「今の時代、すべての人に好かれる人はいないと思うんです」
誰からも嫌われないようにすることは難しい。むしろ、全員に好かれようとするほど、自分たちらしさは失われてしまう。
だからこそ、自分たちの考え方や姿勢をしっかりと伝える。
そのうえで、伝わる人に伝わればいい。
清田英輝氏は、そのように考えている。
会社にも、さまざまな個性を持った人がいる。他の会社では働きづらさを感じるような人もいるという。
だが、清田英輝氏はそれをマイナスとは捉えていない。
強い個性やアグレッシブさは、環境次第で大きな力になる。ぶつかり合いながらも成長できる場所があれば、その人の可能性は広がっていく。
「他の会社では少しやりづらいという子たちも、うちにはいます。でも、そういう人たちがぶつかり合える環境もいいと思っています」
営業会社として前に出る。
意見を受け止めながらも、自分たちの姿勢を貫く。
共感してくれる人とともに進んでいく。
それが、清田英輝氏の今のスタンスだ。
「やり方」ではなく「あり方」を中心に置く
清田英輝氏は、これからの経営において、「やり方」だけではなく「あり方」を大切にしたいと考えている。
やり方だけを追っていると、目の前の利益や一時的な成功に引っ張られてしまうことがある。
短期的に儲かりそうなもの。
勢いがありそうなもの。
数字だけを見ると魅力的に見えるもの。
そうしたものに飛びついてしまうと、本来の目的からずれてしまうこともある。
清田英輝氏自身も、かつては100億円という数字を強く意識していた。もちろん、その目標は今も大切なものだ。
しかし、今はその意味が変わっている。
100億円を目指すことが目的なのではない。
福祉や教育、人のためになる事業を広げるために、100億円規模の会社をつくる。
この順番が大切なのだ。
「福祉のために100億円を目指す。100億円は一つのやり方なんです」
本来、清田英輝氏が大切にしたかったのは、福祉であり、人のためになることだった。
会社を大きくするのは、人の役に立つため。
売上を伸ばすのは、社会により大きな価値を届けるため。
組織をつくるのは、人の可能性を広げるため。
この「あり方」を中心に置くことで、集まる人も変わってくる。
ただお金を追う人ではなく、その思いに共感する人が集まる。
数字だけではなく、理念に惹かれる人が加わる。
同じ方向を向いて、事業をつくる仲間が生まれる。
清田英輝氏は、そうした組織をつくっていきたいと考えている。
企業理念は「可能性を超えよう」
清田英輝氏は、会社の理念も見直したという。
その根底にあるのは、「人は自分の可能性を自分で決めてしまう」という考えだ。
「自分にはここまでしかできない」
「この仕事なら、このくらいが限界だ」
「この店舗なら、この売上が限界だ」
「自分には大きな挑戦は向いていない」
人は知らず知らずのうちに、自分で自分の限界を決めてしまう。
営業の現場でも同じだ。
目標を決める時に、本当はもっと上を目指せるにもかかわらず、過去の経験や周囲の空気に合わせて、無意識に上限を決めてしまうことがある。
清田英輝氏は、その可能性を超えていきたいと考えている。
そこで掲げた言葉が、
「可能性を超えよう」
である。
とてもシンプルな言葉だが、その中には清田英輝氏自身の人生観が込められている。
自分自身も何度も壁にぶつかってきた。
もう無理かもしれないと思ったこともあった。
それでも、もう一度立ち上がり、前へ進んできた。
だからこそ、従業員にも、関わる人にも、自分で決めた限界を超えてほしいと願っている。
人の可能性は、本人が思っているよりも広い。
環境が変われば、見える景色も変わる。
考え方が変われば、行動も変わる。
行動が変われば、未来も変わる。
「可能性を超えよう」という言葉には、そうした清田英輝氏の想いが込められている。
可能性に革命を起こす仲間を集めたい
清田英輝氏は、これからも会社として大きな挑戦を続けていく。
100億円、そして1,000人規模の組織という目標も、数年単位で本気で目指していく考えだ。
ただし、それは単に会社を大きくしたいからではない。
教育や福祉、社会貢献につながる事業を広げるため。
一人ひとりの可能性を引き出すため。
苦しんでいる人が、もう一度前を向くきっかけを届けるため。
そのために、会社を成長させていく。
清田英輝氏は、自分の可能性を信じたい人、今の自分を変えたい人、もう一度挑戦したい人と一緒に働きたいと考えている。
「自分の可能性に革命を起こしたい人には、ぜひ来てほしいです」
過去の出来事を調べる人もいるかもしれない。
いろいろな意見を持つ人もいるかもしれない。
それでも、清田英輝氏は表に出て、自分の言葉で語ることに意味があると考えている。
隠れるのではなく、語る。
なかったことにするのではなく、経験から何を学んだのかを伝える。
自分自身の姿を通じて、誰かが前を向くきっかけをつくる。
それが、今の清田英輝氏にとって大きな使命の一つになっている。
人も企業も、視点が変われば再生できる
清田英輝氏は、人も企業も変われると信じている。
どれだけ落ち込んでも、どれだけ失敗しても、視点が変わればもう一度立ち上がることができる。
考え方が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、未来が変わる。
それは、清田英輝氏自身が経験してきたことでもある。
目の前の出来事に飲み込まれていた時は、すべてが終わったように感じた。しかし、自分の責任と向き合い、視点を変え、もう一度前に進むことで、見える景色は変わっていった。
「どんな人でも変われると思っています。その人たちの考え方をどう変えるか、視点をどう変えるか。そこをお手伝いできればと思っています」
清田英輝氏が目指すのは、単なる事業成長ではない。
人の可能性を広げること。
企業がもう一度立ち上がるきっかけをつくること。
自分の限界を決めてしまった人に、新しい視点を届けること。
それが、これからの清田英輝氏の挑戦である。
清田英輝氏の第五章は、ここから始まる
過去の経験は、決して簡単なものではなかった。
苦しみもあった。
失ったものもあった。
自分自身と向き合わざるを得ない時間もあった。
しかし、その経験があったからこそ、清田英輝氏は経営者として新たな視点を手にした。
お金になるかどうかだけで事業を見るのではなく、情熱を注げるかどうかで判断する。
従業員を大切にし、人間力を育てる。
教育や福祉を通じて、人の可能性を広げる。
SNS時代に傷ついた人へ、自分の経験を通じて「大丈夫だ」と伝える。
そして、会社として「可能性を超えよう」という理念を掲げ、仲間と共に前へ進んでいく。
清田英輝氏の第五章は、過去の延長ではない。
挫折を経験したからこそ見えた、新しい挑戦の始まりである。
人生には、思い通りにいかないことがある。
時には、自分ではどうにもならないように感じる出来事も起こる。
しかし、それでも終わりではない。
視点を変えれば、道は見える。
自分の可能性を信じれば、もう一度進める。
そして、その経験はいつか、誰かを支える力になる。
清田英輝氏は、自らの人生を通じて、そのことを伝えようとしている。
これから清田英輝氏がどのような事業を築き、どのような仲間と出会い、どのように社会へ価値を届けていくのか。
その挑戦は、まだ始まったばかりだ。